群青の鎮魂  

   太平洋に眠る連合艦隊を訪ねて

   坪本公一 写真集



発行:  アートヴィレッジ

サイズ:  220ミリ×280ミリ

上製本  128ページ

定価:  6,170円(税込み)

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推薦文

同胞を放置しての繁栄は虚妄だ

        高崎経済大学助教授 八 木 秀 次

 今年は戦後六十年。周りを見渡しても戦争の傷跡は何もない。街には近代的なビルが建ち、物が溢れ、人々も日々の生活の苦労はあるが総じて幸せそうに暮らしている。果たしてこれが僅か六十年前に本当に戦争を経験し、敗れた国の姿かと思うほどだ。戦争については首相の靖国神社参拝に近隣諸国が反発する際に辛うじて意識する程度--これが戦争を知らない世代の戦争観である。戦争は遠い過去のものになり、人々は戦争を忘れ去ろうとしている。

 しかし、たとえ人々が忘れ去ろうとしても、人々をして忘れ去らせないようにするものが厳然としてある。それが、本書に収録されている太平洋の海底に今も眠る旧軍の艦船や民間の徴用船の姿だ。六十年の歳月はあまりに長く、船はさびつき、ヘドロに覆われている。張り付いたテーブル珊瑚は巨大なまでに成長している。海のコバルトブルーの美しさが却って痛々しい演出となっている。しかも、そこには三十六万人もの戦没者が今も眠っている。引き上げられないままに。遺骨収集作業はほぼ手付かずの状態であるという。

 正直言えば、今日まで私はこんな事実があることを知らなかった。坪本公一氏が丹念に撮影したこの写真集を見るまでは太平洋にこんなにも多くの船が沈み、かくも多くの兵士や民間人が放置されていることを知らなかった。不覚を恥じるばかりだ。

 坪本氏はこの撮影に莫大な私財を投入しているという。彼は、戦後の日本人の圧倒的多数が太平洋の海底にかくも多くの同胞を放置していることに気付きもしないときに、黙々とシャッターを押し続けた。この事実を知らせることが英霊の鎮魂であると思い続けて。

 同胞を放置しながら築いた繁栄は虚妄以外の何ものでもない。本書に収録された一枚一枚の写真は圧倒的な力をもってそんなことを私たちに訴えている


 
この国の平和と繁栄の原点を撮り続けて

      写真家  坪 本 公 一

 今日、多くの日本人は快適な住居、お洒落な洋服、スポーツにレジャー、そしてグルメと世界に誇る平和で豊かな日々を享受しています。

 しかし、私たちの父母や祖父母の時代、この日本は国家存亡の危機に直面していました。愛する家族、山紫水明麗しい祖国を守るため、たったひとつの命を捧げて逝った先輩がいたことを決して忘れてはなりません。

 私がミクロネシア連邦のトラック諸島で沈没した日本軍潜水艦「伊 169」を初めて撮影したのは昭和四十八年六月のことでした。さびや珊瑚、ヘドロに覆われて朽ち果てた船。南国の美しい大自然とは全く無縁の、そこだけ時間が止まっているような感覚でした。以来、パラオ、フィリピンと、七か国の海に百回以上潜って、三十二年になります。

 この国では、その家やその会社の危機を救った人の賞賛は代々語り継がれてきましたが、わが国の国難を打破するため、命を捧げた同胞のことに、私たちはどれほどの思いを寄せてきたでしょうか。自分の家族や自分の土地には強い関心があっても、国のことを忘れてきたがために、北方領土は返還されないまま、その一方で拉致問題は起き、依然として未解決のままです。

 歴史を忘れ、国を愛する心を忘れてしまっているとしたら、この国は世間が騒ぐ少子高齢化などとは別の危機にさらされていると思うのは私ひとりではないはずです。

 戦後六十年。海底に長年眠っていた遺骨を目の当たりにするたび、日本の戦後の繁栄の礎になった人々のことを考えずにはおれません。彼らの存在をひとりでも多くの方々に伝えるのが、私の使命と思ってきました。

 この度、『太平洋の墓標を訪ねて』に続く第二弾の写真集を刊行する運びとなりました。

 長年の潜水のつけで左半身に少しまひが出ていますが、体力の続く限り、群青の海の底からの訴えを記すために、私は潜り続けたいと思っています。
















































水中写真家、坪本公一氏は英霊が眠る沈没艦船を撮影して32年。

7カ国の海を100回以上訪れて、4万枚以上の写真を撮影してきました。「戦後60年」を迎え、

戦争を知らない多くの日本人に、今日の平和の礎がここにあることを伝えたいと、厳選した120点。



「日本人の魂」の記録!




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